Philosophy診療案内
日常生活の中で起こりうる、感じうるようなことを
きっかけにクリニックを受診され、そこで脳の病気なり怪我が判明することも少なくありません。
すこしでも異変を感じたら、すぐに受診ください。
頭痛
頭痛は身近な症状です。そのすべての頭痛が怖いわけではありません。
頭痛は誰しもが一度は経験したことがある程、身近な症状です。
普段から頭痛持ちの方は市販のお薬を飲んでやり過ごす方がほとんどだと思います。
しかし、頭痛の中には怖い病気が原因で起こっている可能性もあります。
脳卒中や脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)、脳腫瘍などがこわい頭痛の代表です。
いつもと違う頭痛の場合、だんだんと悪くなる場合は、頭痛の原因を調べることをおすすめいたします。
怖い頭痛でなくてもひどい片頭痛などの困る頭痛もあります。
頭痛で寝込み、生活の質が落ち(仕事やお出かけの予定をキャンセル)、悩まれている方もいらっしゃいます。
そのような方も適切な原因の診断と治療により日々頭痛に悩まされずに生活ができるようになります。
一度、専門的な治療を受けてみてください。
頭痛の診断について、まず詳しい問診・診察をいたします。
さらに詳細な検査が必要という場合でも当院ではMRI機器を完備し、即日検査・結果説明も可能にしております。
Specific case 頭痛の種類
日本人のうち約4,000万人が頭痛を患っていると言われています。
これほど身近な症状の頭痛ですが、原因によって大きく2つに分類されます。
命に係わらないとされる頭痛(一次性頭痛)と命に係わる可能性がある頭痛(二次性頭痛)です。
頭が痛いとされる症状自体が病気と考えられている「一次性頭痛」と何らかの病気によって
頭痛が起きているとされる「二次性頭痛」に分類されます。
「一次性頭痛」をこわくない(けれども辛い)頭痛、「二次性頭痛」をこわい頭痛にわけてご紹介します。
- 一次性頭痛 : こわくない(けれど辛い頭痛)
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片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
- 二次性頭痛 : こわい頭痛
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脳卒中(脳出血・くも膜下出血)、脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)、脳腫瘍、髄膜炎、緑内障発作
Topics一次性頭痛について
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片頭痛
片頭痛は、日常生活に支障をきたすことも多い頭痛です。
片側もしくは両側のこめかみから目のあたりにズキンズキンと脈を打つような強いが現れるようになります。このような頭痛が始まる前の前兆として、人によっては目の前にギザギザした光が見えたり、視野の一部が見えにくくなる『閃輝暗点』といったものや、光や音、臭いが気になるといった症状を感じる方もいます。
片頭痛の頻度ですが、週1回の方もいれば、月1回程度の方もいます。一度頭痛が起こると数時間~3日は続き、
周期的に起こり、痛みが激しく、吐き気を伴うこともあることから、日常生活に支障をきたし、仕事や家事を休まざるを得ないこともあります。片頭痛の発作を誘発するものとして、精神的なストレス、睡眠不足、月経周期、天気の変化、飲酒、食品(カフェイン、チラミン)の摂取などが言われています。男性よりも女性患者が多いとされ、30歳代女性の約2割程度の方が片頭痛に悩んでいるとの報告もあります。
重症になると月に15日以上頭痛に悩まされることもあります。
また、片頭痛は一次性頭痛ですが、前兆のある片頭痛は脳卒中のリスクになりうることも知られており、注意が必要です。 -
治療法について
片頭痛の治療には、片頭痛の発作時の症状を抑える(頓挫療法)と片頭痛を予防する(予防療法)があります。また日々の生活の工夫でもその頻度や程度が改善する場合もあります。当院では、漫然と薬を処方せず、生活上のアドバイスをはじめ、頓挫療法や予防療法を従来のお薬に加えて、総合的に検討し、患者さまそれぞれに合う治療を一緒に探していきます。
生活での工夫
- ストレス、過労を避ける
- 規則正しい生活:食事、睡眠をきちんととる(寝すぎは逆効果)
- 休日の朝に寝過ぎたことで片頭痛発作で目が覚めることもある
- 姿勢を正しくする(うつむき姿勢は筋肉に負担をかけ、頭痛の誘発の原因に)
- カフェインを多く含むもの(コーヒー、紅茶など)、チラミンを含む食品(ワイン、チーズ、レバー、チョコレートなど)を摂取しすぎないようにする
- 鎮痛剤は必要な分だけ用いる(安易な内服は薬物乱用頭痛の原因になる可能性がある)
片頭痛発作の治療(頓挫療法)
- 頭痛が軽い場合はまず消炎鎮痛剤(普通の痛み止め)を内服します。
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それでも頭痛がひどくなる場合はトリプタン系薬剤を用います。
トリプタン系薬剤には内服、注射、点鼻などの様々なタイプがあり、またその効果時間や服用方法にも違いがあります。その方にあった処方を専門医に相談しましよう。また新薬も登場し、注目されています。
片頭痛の予防(予防療法)
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片頭痛発作が月に2回以上、生活に支障がある、鎮痛剤の内服回数や量が多いなどの場合は、予防療法の適応です。
治療開始から約2週間から1ヶ月で効果がみられ、効果があれば3ヶ月を目安に内服を継続して、状態に合わせて減量していきます。 - また2021年からCGRP関連製剤「エムガルティ、アイモビーグ、アジョビ」(皮下注射)が保険適用となり、これまでなかなかコントロールできなかった方も効果を実感できるような薬も登場しています。
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緊張型頭痛
肩こりなどの筋肉の緊張に伴う頭痛です。
一次性頭痛の中で最も多く、両側性に頭を締め付けるような痛みや圧迫感、頭重感といった頭痛が特徴です。
数時間から数日ほど続くとされています。人によっては、めまいや立ちくらみが現れることもあります。
ストレスの影響が大きく、パソコン作業や運転などの長時間同じ姿勢で居続けたことによる血行障害も原因となります。 -
治療法について
緊張型頭痛の場合、姿勢や生活環境の改善、非薬物療法(ストレッチや頭痛体操)、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使用し、症状を和らげながら治療を行います。
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群発頭痛
頭痛がある期間に集中し、片目の奥がえぐられるほどの耐え難い激痛です。
飲酒や喫煙が発症リスク要因と考えられており、20~40歳代の男性に発症しやすく、女性の3~7倍と言われています。群発頭痛は1度起きると痛みの出る日が1ヶ月ほど続くことが多く、頻度は1日1回程度で15分~3時間程と報告されています。また頭痛が治まってからも年単位の周期で同様の頭痛が起きるというのが特徴です。
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治療法について
群発頭痛発作時の治療としては、トリプタン系製剤皮下注射などの薬物療法、酸素吸入法を行なっていきます。
予防としては、降圧剤やステロイドの内服の効果が期待されていますが、効果は定まっていません。生活上での飲酒や喫煙などの誘発因子を避ける必要があります。
Topics 当院における頭痛治療の特徴
一人一人に合わせた治療法を見つけ出します
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当院では頭痛を診断し、漫然と薬を処方せずに、日々の生活の工夫についてもアドバイスを行い、少しでも頭痛で悩む時間が減る方法を一緒に探していきます。
頭痛ダイアリーを用いて、頭痛の頻度や程度、内服の状況を確認しながら、治療効果を判定し、治療を進めていきます。
頭痛で日常生活に支障がでている方、頭痛で少しでも悩んでいる方は、当院にご相談ください。
Topics二次性頭痛(こわい頭痛)について
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脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)
脳動脈の解離や、脳血管の攣縮による頭痛がみられることがあります。
脳動脈の解離は、椎骨動脈という脳の後方へ行く血管にできることが非常に多く、急性に後頭部の比較的強い痛みを生じます。
頭痛の性状からは片頭痛や後頭神経痛などと区別することは困難で、MRI検査で明らかになることがあります。
大抵は何事もなく数ヶ月で回復しますが、動脈瘤や血管の狭窄をきたし、まれにくも膜下出血や脳梗塞を起こすことが知られています。
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脳腫瘍
脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはあまりなく、数ヶ月から数週間かけて徐々に強くなっていくことがあります。
頭痛は朝方に強くなることが多く、頭痛で目覚めたり、起きてしばらくすると改善することがあります。
頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ、けいれんなどの神経症状を伴うときは、CTあるいはMRI検査がおこなわれます。
また、脳ドックなどで偶然に脳腫瘍がみつかることもあります。脳腫瘍がすべて悪性のものということはありません。
良性の脳腫瘍の場合、手術せずに経過を見ることもあります。
手術が必要な場合、適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。
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可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
ウェイトトレーニングなどの運動や感情の昂ぶりに際して突然に頭痛を起こすことがあり、
ひとつの原因として可逆性の脳血管攣縮が注目されています。
脳血管の攣縮による頭痛は1-3ヶ月で良くなるのですが、症状だけではくも膜下出血などと区別はつかず、
頭蓋内の出血や脳梗塞を伴うこともあり得るため要注意とされています。