Philosophy診療案内
日常生活の中で起こりうる、感じうるようなことを
きっかけにクリニックを受診され、そこで脳の病気なり怪我が判明することも少なくありません。
すこしでも異変を感じたら、すぐに受診ください。
頭部打撲
いつもと体調が異なる場合は脳に損傷があるかもしれませんので、受診をお勧めします
頭部打撲の原因の多くは、日常生活やスポーツの中で、歩行中や階段での転倒・運動中の激しい接触や交通事故などで頭を強く打ってしまう事により起こります。
頭部への衝撃が強い場合、または、打ち方は大したことがなさそうでも、その後の様子がいつもと違う時には、頭の中に異常がでてきている可能性があります。小さなお子さんは症状を自分から訴えられないので、特に注意が必要です。
Precautions to take after a head injury こんなときは、早めに受診を
- 症状の一例
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- ●吐き気がして、嘔吐を繰り返す
- ●手足の動きに異常がある
- ●けいれんを起こす
- ●出血がひどい
- ●耳や鼻から血液混じりの液体が出た
- ●お子様の場合はぐったりしている、機嫌が悪い、ぼんやりしているなど
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頭部打撲〜24時間後まで
頭部打撲直後から頭の中に出血する場合は、命に関わることもあり緊急を要します。
頭部打撲から24時間以内は特に注意して様子をみることが大切です。
本人は安静を保つように心がけ、ご家族の方はしっかりと状態の確認をこまめに行ってください。 -
頭部打撲後から約1〜2ヶ月後
頭を打ってから数週間にかけて頭蓋骨の下に血の貯まり(血腫)ができることがあります。
「慢性硬膜下血腫」と呼ばれる病気で、血腫が脳を圧迫して症状がでます。
高齢者の方や、特に抗血栓薬(血液をさらさらにするお薬)を飲んでいる方は注意が必要です。
Precautions after a head blow 頭部打撲後に注意すること
頭部打撲からしばらく(約1ヶ月程度)して、以下のような症状がみられる場合
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病院を受診して画像検査を受けることをお勧めします。
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- ●物忘れの症状がでてきた
- ●手足の力が入らない
- ●うまく歩けない
- ●ぼーっとしている
- ●頭の痛みがだんだん強くなり、持続する
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頭蓋内出血
頭を打った際に一番心配なことは、脳などの頭の中に出血を起こすことです。
頭部打撲後の頭蓋内出血は、重い後遺症を残したり、命に関わる重篤な事態になり得るため、緊急を要します。
強い頭部外傷では直後から意識がもうろうとしますが、中には、受傷直後はしっかりしていたのに徐々に意識が悪くなってくる場合もあります。
直後は大丈夫でも、見守りを怠ってはいけません。受傷後3~6時間、時には24時間近く経って徐々に症状が出現することがあるので、注意が必要です。
原則的には頭部CT検査で診断します。ただし、小さなお子さんであれば、CTに伴う放射線被爆を鑑みて、自覚症状に乏しければCTを撮影せずに慎重に経過を見ることが多くあります。 -
脳震盪
脳震盪は衝撃によって脳が揺さぶられることにより生じる脳の機能障害を指します。
頭部打撲直後から短時間の意識消失があれば、脳震盪が疑われます。その他、画像検査では頭蓋内に異常がなくても記憶障害やふらふらしたり、ボーっとしている、頭痛やめまい耳鳴りなどがしばらく続いた場合にも、脳震盪の疑いがあります。脳震盪は通常は短時間で消失しますが、数週間に及び認めることもあります。
特に小さいお子さんや若年者では長く続くので注意が必要です。
脳震盪後、回復するまでに頭部打撲を繰り返すとよくないので、検査で異常なくても暫くは安静にしなければなりません。
スポーツなどの場合は、各競技種目ごとの特性に合わせた休止期間の判断が必要です。
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頚椎損傷
脊椎の脱臼や骨折によって脊髄が圧迫されることによって起こります。
頚椎では、スポーツや交通事故などの激しい外傷以外にも、元々、脊柱管狭窄症や、頚椎後縦靭帯骨化症、頚椎症などの脊髄の圧迫がある病気をお持ちの方が、転倒などによって衝撃が加わることで脊髄損傷が生じることもあります。頚椎損傷は重篤な場合は四肢麻痺を生じたり、呼吸に関わる神経系の障害を生じて生命の危機に晒されたりする可能性もあります。
頭部打撲直後に不用意に頭や頚を動かすと、頚椎損傷に伴う症状が悪化することがあるため、頭部打撲後は、頚椎損傷がないことが確認できるまでは頚部をネックカラーなどで固定して、安易に動かさないようにする必要があります。 -
顔面の骨折/眼窩底骨折
顔面の打撲では、鼻や頬、目の周り、顎の骨折を伴うことがあります。
眼窩底骨折は目の周りの薄い骨が骨折し、眼が落ちこんだり、眼の動きが悪くなって物が二重に見える(複視)、そのために吐き気を伴うこともあります。
骨折した部位によっては顔の神経も傷つけて、顔の感覚が麻痺します。
また、鼻をかむと血液の混じった鼻水が出ることもあります。このような状態で鼻をかむと、逆に症状を悪化させることもあるため鼻をかんではいけません。原則的には頭部CT検査で診断します。